天高く芋、肥ゆる秋。

晴れのとある日、ふと焼き芋が食べたいと思い立つ。
 キャンプ場に足を運ぶと、家族連れや友達グループの喧噪。
 肌寒い空気に入り混じるあたたかな日差しが心地よくて、
 準備や支度の煩わしさはどこかに忘れていた。
 たまに吹く風で煙に巻かれながら焼けるのを待つと、
 炭の匂いに混じって、ほのかに香る香ばしい芋の匂い。 
空を見上げると、匂いにつられて集う雀たちが見えて、
 湯気立つ香りを楽しみながら、秋の味覚を食す。
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